特に急ぎでない限り、東京への往復ではいつも宮崎(鹿児島)と成田を結んでくれるジェットスターを利用しています。その際、飛行機+電車の往復で読み切れる本を毎度調達しているのですが、今回は羽田圭介さんの芥川賞受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」を拝読いたしました。

作者ともども大変話題になった本であり、本当に今更な感じがするのですが、ハードカバーの本はもう置く場所がないので文庫化を待っていたのです。

内容に関してはネタバレになるので控えますが、僕には主人公の物の捉え方が、高校生あたりから長く続く青春群像のように思え、小気味良いリズムでその時期独特の自分を面白おかしく傍観しているような表現がページをめくるスピードを速めさせ、本を読み終えるまでの時間があっという間の出来事に思えました。

個人的には久し振りに技術書以外の本だったこともあり、とても充実した楽しい時間を過ごせました。

映像よりも文字の方がなんだかしっくりくる作品ってありますよね。岩井俊二さんの「ラブレター」もそうでした。映像が悪いだとか何かが悪いとかそういうネガティブな意見ではなく、文字の方が温度や色など明確に分かると言いますが、自分の中にある赤や緑、冷たさ、暖かさに置き換えてその世界観にどっぷりとつかることが出来るからそう思うのかもしれません。

皆様も是非よりよい読書を。