ECでは地産地消にどっぷり漬かるのは危険

宮崎、鹿児島でもそうだがほとんどの田舎と呼ばれる地域ではやたらと「地産地消」をあたかも素晴らしい事だと神格化している感じがする。
地産地消って言葉面だけを見ると、ただ単に内輪でぐるぐるお金を回すだけの仕組みである。
しかしながら人口減少、高齢化、農業でいうと離農や耕作放棄などの著しい昨今において、地域の活性化なんて、それこそ老体に鞭を打って本当に頑張らないと不可能だ。まぁ本来は意味が違うのだが。

しかしそんなことはどうでも良い。
ただこの地産地消という考え方をECにまで取り込んでしまう事が危険であるということが今回の趣旨だ。

せっかく作ったショッピングサイトだから、地産外商に挑戦する

地産地消が身についてしまっている方が行うショッピングサイトは、これまで通りの周囲のお客さま相手の商品を提供しようとする。しかしながらそれではショッピングサイトは失敗してしまう。

その理由をとても簡単に考えると、インターネットの世界ではお客様は周囲の人間だけではないというのが1つだ。
地産地消のデメリットに、競争力の低下がある。
田舎では質が高いと思われていた商品が、全国的に見ると質が低かったというのはよくある。
田舎の閉鎖社会の中でTVや雑誌で知った商品を見様見真似で作り、本人では満足のゆくものが作れたとしても、競争力のない世界で作ったものが爆発的に売れることは稀有である。せっかくネットに繋がったスマホやPCが目の前にあるのに、競争力の高い都会の製品に触れようとしないのはとても勿体ないことだ。

せっかくECに挑戦するのだったら地産外商に挑戦するしかない。挑戦して己の商品に対して正しく分析し、改善を加えることでより良い商品に変えてゆくことこそ、ECのメリットである。

地元の商品をECで売る

これまでの言葉を覆すようだが、商品に競争力という言葉がついて回るのであれば、逆に競争の少ない商品を売るというのも手だ。
従来の地産地消で売ってきた地元の方に愛される商品は、地元の方しか知らないことが多く、それ以外の人間にはとても魅力的に映ることも多々ある。
地元でしか食べられていないような、伝統的なお菓子や飲み物などないだろうか。地元でしか食べられていないような農産物はないだろうか。
競争の高い商品ではなく、地元独特の商品に目を向けるのも一興だ。