顧客満足度の向上やリピート率の向上、競争力の維持、顧客との長期的な関係構築などを目指すには、それぞれの顧客に合ったサービスを提供する必要がある。そのためには顧客の属性や年齢、購買履歴、コミュニケーション履歴を収集が必要になり、この集めたデータを資産として運用することを顧客の資産化と呼びます。

顧客資産化って言葉自体が難しいのに、顧客の属性とか、性別とか職業とか、性格とかそんなものどう具体的に利用すればいいのかなんてさっぱり分かりません。
なので、居酒屋を例に顧客の資産化について考えてみます。

居酒屋で考える顧客の資産化

長い事通い詰めるお店ができたら、「オヤジ、いつもの」って、一度は言ってみたいですよね。
私だったら鯵の南蛮漬けと焼酎のソーダ割ですかね。

だけどどうしてその言葉がそのお店では通用するのでしょうか。
この通用する仕組みこそが顧客資産化です。

顧客資産化の仕組み

この場合、資産化されているのはお客さんである私の方ですが、この店主はどうやって私を資産としたかを考えると、顧客資産化に必要な要素が見えてきます。

私が初めてのお店に入って、常連になるまでの流れはおそらく次のような流れになっているはずです。

入りたいと思えるお店作り
店外、店内の清潔感
居酒屋と分かる看板、のれん
商品の健全な供給
適切な時間と価格で、満足感のあるメニューの提供
ありきたりなものではなく、個性のあるメニュー
清潔な店内、トイレ
データ収集
来店頻度や注文内容を覚える。
積極的に声掛けを行い、会話中に職業や好きな話題を覚える
年齢層や来店時間帯の傾向を観察する
データの活用
私が再び来店した際に、「今日は南蛮漬け、よく漬かっていますよ。それとも新しいメニューを試しますか」と注文履歴に基づく提案が出来るようになる
特定の時間帯に来るお客様に、その時間帯限定のサービスを提案して満足度を高めてもらう
しばらく来店されないお客様の情報を他の常連客に聞いたり、来店を促してもらう
信頼の構築
顧客にとって、自分のことを覚えてもらえているという特別感がある
新物や新しいメニューを試せる特典をつける

顧客資産化により、顧客は特別感を育む

常連客として名前や好みを覚えていただくと、自分はその場所の一員であるという感覚が芽生えます。
この一体感の形成こそが資産化の目的です。

一体感を持った顧客は、自分がその場所に属している、自分があの店主を育てたなどの優越感を持ち、自ら再訪する機会を作り出してくれます。
また、ご友人やご家族など新しい顧客を紹介していただく場合もあります。

常連の顧客には、店主は新しいメニューの提案やフィードバックを求める障壁も低くなり、さらに良い店舗運営が可能となります。

ECで顧客情報を得ることが出来るタイミング

店主が顧客と会話をして顧客情報を掴むように、ECでも様々なタイミングで顧客情報を掴むことが可能であり、それは次のようなタイミングになります。

  • 会員登録時:年齢や性別などの基本情報をもとにしたメールマーケティングを実施。
  • 購入商品の傾向:レコメンドで顧客の興味のある商品を提示。
  • 購入頻度、金額:ロイヤルティプログラムを導入し、特典付け等でリピートを促す。
  • アンケート、問い合わせ:顧客の声を改善に活用する。
  • SNS:顧客の投稿を参考にキャンペーンの調整や、共感を得られるコンテンツの提供

顧客資産化の活用

これらのデータを単に収集するだけでなく、顧客にとって価値のある形で活用することが、ECサイトにおける顧客資産化のカギです。これにより、顧客満足度とリピート率を向上させ、長期的な信頼関係を築くことができます。

 

 

 

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